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こまき学生コラムニスト【桃花台を考える会様】

こまき学生コラムニスト【桃花台を考える会様】

全国で深刻な高齢化が社会問題となっています。高齢化が進んでいるのは、私たちが暮らしている小牧も例外ではありません。
では小牧では、高齢化問題に対して一体どのような活動が行われているのでしょうか。

今回は、小牧市民活動団体「桃花台を考える会」の代表を務める鵜飼順さんにお話を伺いました。
若い世代が新たに流入する魅力あるまちづくりを目指す「桃花台を考える会」は、2015年4月に設立。今年で活動7年目を迎えます。
これまでと現在の取り組み、そして今後の夢について語っていただきました。

きっかけは交流の中で

鵜飼さんが桃花台という地域に関わり始めたのは退職後でした。それまでは地域活動とは無縁で、会社員と並行し、バスケットチームの監督を37年間されていたそうです。
12年前の当時70歳、役員を決めるくじ引きで見事に区長を引き当てた鵜飼さん。その結果、区長を1年間経験することになりました。当時は自分の住む地域についてあまり興味がなかったそうですが、いざ区長を経験してみるとさまざまな要望が噴出。「物事には全力で取り組む」という性分から、ひとつひとつ全力で応えました。区長を続ける中で、区長会や桃花台祭りといった行事、また他の区長の方々を知ることになり、徐々に地域の方々との交流が増えていったそうです。

交流の中で、とある区長、後に会の初代代表を務める方の言われた言葉がターニングポイントになりました。
「春日井では、市にニュータウン創生課ができた。それに比べて小牧にはそういった組織が存在しておらず、遅れをとっている。そういった組織を小牧に取り入れたい」
その想いと呼びかけに鵜飼さんを含む7人が賛同し、「桃花台を考える会」が設立されました。

その後、長年にわたる活動が実った結果、小牧にも「東部まちづくり推進室」という組織ができ、前代表の願いは達成されました。

町の活力を維持するために


設立1年目は、桃花台の住民にアンケートを取ったそうです。
「交通の便が悪い」「買い物の機会が少ない」といった意見が挙がりましたが、それに対する建設的な意見がなかなか思いつかなかったと鵜飼さんは語ります。
現在では、町の活力を維持するということをポイントに、三つの方策を進めています。

その一「音楽を町の文化にする」


1980年に入居が開始した桃花台は、比較的あたらしい街です。「新しい街に新しい文化を」ということで「音楽」をまちの文化に取り入れることにしたといいます。
今年2月27日には「第二回桃花台音楽まつり」を開催。当日は老若男女問わず住民の参加が得られ、盛況の様子から、着実に「音楽」という文化が桃花台のまちになじんできていることが分かります。

その二「空き家をつくらない」


今住んでいる鵜飼さんら移住世代の子の世代が近くに住んでいない、または一緒に住んでいなければ実家をどうするのか、という問題に対して、対処が遅れてしまわないよう働きかけています。
空き家が増えると、町の景観が悪くなり、さらに治安の悪化にもつながります。また、対処が遅れるほど、問題解決が難しくなってしまいます。
そのような問題を予防するために、実家相続のポイントをおさえる「地域で考える空き家をつくらないセミナー」を開催。緊急事態宣言のため、一回目は延期となってしまいましたが、今年度は二回開催し、専門の講師が相続問題を親子で決める大切さやポイントをわかりやすく解説しました。

その三「桃花台のいいところを若い世代にアピールする」


小牧は、市外に勤めに出る人よりも、勤めに来る人が多く、昼間人口の方が多いという特徴があります。鵜飼さんは「そういった人に、通勤時間を長くかけて小牧に通ってもらうのではなく、住んでもらいたい」と訴えます。
今年1月には、桃花台の住民に今のまちの問題を伝えつつ、活動に参加してくれる人を募ろうと「桃花台を考える講演会」を開催。桃花台の歴史と財産を伝え、町の外からみた桃花台の魅力と課題について講演しました。
子どもたちとの意見交換も積極的におこない、「桃花台を考える会と桃陵中学校生徒との意見交流会」へ参加。桃花台の現状やこれまでの取り組みなどを伝え、桃花台ニュータウンの印象などについても意見を聴きました。「桃花台に住んでよかったこと、困ったこと、感じたこと」など、いろいろな声があり、世代を超えて皆が熱心に地域を考える機会になりました。

鵜飼さんは、「活力のある子育て世代が、親子で桃花台のさまざまな問題と魅力を共有し、考えることが大切。それが地域活動への積極参加につながっていけば」と考えています。
これらの「自分が今住んでいる地域のことを改めて考えるきっかけ」づくりから、地域愛が少しずつ育まれ、広がっていくと思います。世代やルーツを超えて語りあうことは、分かり合え、助け合うことができるまちづくりにつながるのだと考えさせられました。

今後の夢やビジョンについて


現在は、若い人たちに桃花台の魅力を体験として伝えられるイベントを計画しています。
桃花台は、まちに張り巡らされた全長8.6kmある緑道(歩道)と、通学の安全性などを考慮のうえ配置された学校や幼稚園、保育園や大小30ヵ所ある公園など、子育てに適した都市設計になっています。また、桃花台の南北にそれぞれ飲食店があり、中央には桃花台センターがあります。その3ヵ所を緑道で結び、スタンプラリーやウォーキングといった体験型のイベントをおこないたいと考えています。
「できれば計画から若い人に参画してもらい、実行していきたい」と語る鵜飼さん。この1、2年は若い人に桃花台の魅力に共感してもらい、活動の中心になってもらうことを目標としており、若年層にどのようなアプローチをしていくかを模索しています。

会のメンバーに向けたメッセージ


「現在の正式なメンバーは15人。ひとりひとりが人とのつながりを増やし、私たちの活動に興味を持ち参画してもらう方を増やしていってほしい」と鵜飼さんは語ります。

インタビューを経て


「桃花台を考える会」では、まちの活力を維持するため若い人にむけて魅力を発信し、次の世代を担ってもらえるように活動をしてきたことが分かります。活動にむける熱量や思いから、その次の世代を担うのはまぎれもなく「私たち20代や子育て世代である」という自覚が持てました。将来、私たちが住んでいる地域を守るためにも、より地域を活性化させる工夫を主体的に考えていかなければいけません。
未来へのカギは私たちにあると感じました。ありがとうございました。

関連サイト

東部まちづくりニュース
https://www.city.komaki.aichi.jp/admin/soshiki/toshiseisakubu/toubumachidukuri/tobumachidukurisingikai/35668.html

若い世代を東部地区に呼び込む活動
https://www.city.komaki.aichi.jp/admin/soshiki/toshiseisakubu/toubumachidukuri/tobumachidukurisingikai/35633.html